手塚治虫のライフワーク。全部で13つ(恐らく)のエピソードがあります。
基本的に、その生き血を飲むと永遠の命が手に入れられるという火の鳥を巡る、人間達の争いが描かれています。が、各エピソードによって時代背景も設定も国もバラバラなので、一つ一つのエピソードだけでもちゃんとお話として成立します。
また、各エピソードは過去と未来が行き来するような順番で描かれており(例:1巻は邪馬台国とか出てくる黎明編。2巻は未来編という人間文明の滅亡が描かれる章になっている、で次はまた過去の話、、、といった感じ)、当初の構想では過去と未来が少しずつ入れ替わり、最終編は現代編という形で終わる予定だったらしいです。
命の尊厳さがテーマとか大仰な事も語られる本作ですが、単純に物語だけでも十分読み応えあります。
やはり全部読んでこそ面白味が分かるもので、輪廻転生宜しく同じような業を背負ったキャラクターが色々な時代で出てくるし、微妙にリンクしているエピソードもあったりします。それらは単体で読んでいては気づかないが、全て読むと「あれれ?」という発見があったりするわけです。
ただ、手塚治虫の死によって結局その完成を見る事なく終わってしまった未完の大作。
手塚治虫の漫画って、今読んでもほんっとに面白いんですよ。もう断然、他の漫画家と比べても面白い。あんだけたくさん作品あるのに面白い作品が圧倒的に多すぎる。これは凄いですよね。
火の鳥はそんな中でも僕が最も好きな一連のシリーズです。どれか一つでも手に取って読んでみたらもう最後。きっと全巻買い揃えてしまうと思いますよ。
*上の画像は鳳凰編の一コマ。醜い鼻を持つ猿田彦はあらゆる時代に登場します。