こっそり妄想徒然紀行

どうでもいい事をそこそこ真剣に、ゆるーく考えるブログ

京都地下鉄萌えキャラ「地下鉄に乗るっ」が意外といい話だった件

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僕は関東出身ですが、大学はあえて京都の大学に進学しました。自分の大学生活を京都で送ることにした、というのは僕が人生の中で行った選択の中でトップクラスにランクするグッドチョイスだったと思うのですが、まあそれはいいとして。

 

社会人になって京都を離れ、東京で働くようになってからも、出張では京都に行くことはちょくちょくありました。特にここ四年間はとある仕事で、一定期間、毎週京都に訪れていたのです。

で、何年前からか、京都地下鉄にやたらアニメキャラのポスターが貼られていたわけです。それが今回ご紹介する、京都地下鉄公式のキャラクター「地下鉄に乗るっ」キャンペーンの女の子たちなわけです。

 

京都の地下鉄を使う女子高生達(という設定)

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これは地下鉄烏丸御池駅構内で撮ったポスターです。ええ、超恥ずかしかったですけどね。

左から松賀咲、太秦萌、小野ミサと名付けられた彼女達は、それぞれの名前に京都地下鉄の駅名をもじられて名付けられています。手にしている定期券もそれぞれ通学区間がそれぞれの駅になっているというこだわりよう。

正統派清純ロングヘアーJKとスポーツ活発JK、そしてサブカルツインテールJKと、まるで漫画かゲームのようにド定番なキャラ分けされております。裏設定もちゃんとあるっぽいです。

僕が数年前に初めて見たのはこの巨大ポスターだったんですが、京都地下鉄では結構いろんなところに貼ってあります。

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結構目立つんです。

 

で、昨年くらいから新しいキャラクターも加わった模様。

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で、この人が太秦萌のお姉さんだという太秦麗。OLさんだそうで、酒飲みで終電が伸びるの嬉しいぜってキャラのようです。

 

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さらにこの人が京都学園大学新キャンパス設立のタイミングでコラボした太秦萌のいとこ、太秦その。

 

太秦その(京都学園大学公式キャラクター) | 京都学園大学

 

すげえ、着実に拡大展開している。

 

媚びたわけではなく、経営課題解決のために生み出されたキャラクター達

ただ、疑問だったんです。地下鉄って公共交通手段なわけで、京都に住んでいる人は使わざるを得ません。それなのに、アニメキャラ使って人気とる必要あるのかな?と。

 

で、気になって調べてみたら、実は京都市営地下鉄って超赤字体質だったそうです。

京都は遺跡が多い為、地下に路線走らせるのも大変だったそうで、赤字がたんまりあるそうで。収益を健全化する為には乗客の利用を促進させないといけない、と。

 

ただ、僕も京都で四年間過ごしたから分かりますが、京都は自転車文化なんですよね。持ってる人は原チャ。各所に立つ寺や神社をどかすわけにもいかないから、電車の走り方が歪なんです。逆に地上に出るとご存知の通り京都の街は碁盤の目上に構成されているから、土地勘さえあれば自転車の方が楽。なんなら、歩いたって市内なら結構移動できちゃいます。だから地下鉄って、僕は大学在学中はほとんど乗った記憶ありません。せいぜいバスくらいです(でもバスはすっごく時間かかるから好きじゃないけど)。

 

地下鉄は初乗りが260円と、東京より100円も高いのはなんなんだ、と思ってましたが、赤字だったんですね。そーかー。

 

で、話を戻しますが、なんとか乗客が増やさないといけない、ということで局内で検討してキャンペーンをうったのがこの「地下鉄に乗るっ」だったと。この辺の経緯は下記リンク先に詳しいです。

 

dot.asahi.com

いやあ、いい話だなあ。

 

京都に萌えアニメは意外とアリ

もともとは職員の家族の人が書いたという低予算っぷり全開だった太秦萌。それを「進化」させ、プロの人(?)が手がけてできたのがこのキャラクター達だったそうです。

家族の人が書いた本絵は下記リンク先に。うーむ、言葉が出ない。

hatenanews.com

 

で、です。

これ、初めて見たときは「?????????」でした。正直。

ただですね、慣れてくると「意外とアリ」なんです。

ご存知の通り、京都は日本の文化と伝統を守る街。そういう意味では「古い」わけですし「守り」の街なんです。

 

ただ、そうした伝統を守りながらも最先端のカルチャーと交わってみたり意外と”攻めてる”一面も持っています。神社の夜間ライトアップとプロジェクションマッピングをドッキングさせた企画とかもちょいちょいやってるようです。

 

日本古来の伝統と、日本が世界に誇る萌え文化。むしろ、先進的な取り組みのようにすら見えてくるから不思議ですね。綿密に計算され、満を持して京都が世界に発信しているようにも感じてきちゃいます。

逆に、この展開を京都以外がやるとただの”萌に媚びた”印象を受けるかもしれませんが、京都がやると説得力があるというか。まあ、結果論ですけども。

 

京都人、みんなで育てるキャラクター

で、このキャンペーンは話題沸騰となり、実際に赤字幅が大幅に減っていっているというからすごいです。

ただこのキャラクターやブランドの世界観は大事にしたいと考えているようで、上述した太秦そのみたいなコラボはありつつも、基本的には「京都地下鉄」の世界観をはみ出ないよう注意しているそうな。ブランドを育てていく上では長期的な視点で見ないといけませんね。大事。

 

で、こんなアニメCMもあるのですが、

 

これをさらに本格的なアニメ作品にしたいという動きもあるものの、赤字の京都市営交通局ではそれが叶わないため、クラウドファンディングも募っている模様。

もう目標額はあっという間に達成していますが、上回った分、アニメ上映時間を長くしていくそうな。

www.makuake.com

 

京都に四年間住んだ僕自身もそうなんですが、京都の街って、本当に愛されているんです。”観光客”というお客様じゃなくって、住んでる人、もしくは住んでた人たちから。僕は京都に住んでいたことを誇りに思っていますし、いつか帰って来たいって思っています。で、きっとそう思ってる人たちはたくさんいて、みんなで京都を守っていかないとと感じていると思うんですね。あの雰囲気とか文化とか仕組みとか。

 

だからこの「みんなで育ててる感」は超共感です。変な商業主義に走らず、末長く愛されるキャラクターでいて欲しいですね。

 

ちなみに僕はニーハイが大好きなので小野ミサ派でございます!(蛇足!)