こっそり妄想徒然紀行

どうでもいい事をそこそこ真剣に、ゆるーく考えるブログ

新垣結衣とたこ焼きを食べる話

f:id:mousoumen:20160715232934j:plain

 

大阪出張時の奇跡

出張で来ている大阪で、予想外に早く仕事が終わってしまった。梅田からしばらく歩いたホテルにとりあえずチェックインする。インバウンドの加速で外国人観光客が増加し、大阪や京都のホテルはなかなか取れなくなってしまい、結構離れたホテルじゃないと泊まれない。

まあただ、以前本当にホテルが取れず、ミナミの方で泊まったカプセルホテルが本当に辛かったので、まともなホテルに泊まれるならまだマシだ。

ホテルは意外と立派だった。仕事スペースが存分にあり、他にすることもなかったので僕は相棒のMacbook airを取り出し、溜め込んだ仕事を始めたがどうにも気が乗らない。

 f:id:mousoumen:20160715234746j:image

どこか寂しかったし、「折角大阪来たんだしな」と思い、僕は外に出て繁華街をうろつくことにした。

 そして、そこで出会ったのだ。彼女と。

サングラスとマスク姿は逆に目立つ件

さっぱりしたものが食べたいと思い、僕は東梅田にあるうどん屋に入った。某グルメ口コミサイトでは高スコアをマークしていたお店だったが、味も量も、正直物足りない。

そこで僕は、たこ焼きを食べることにした。一応、大阪に敬意を払って名物を食べようと思ったのだ。

幾つかのお店を物色し、僕はカウンターで食べれるたこ焼き屋に入った。その場で食べたかったのと、空いてたのだ。赤い椅子に座り、何を注文しようかメニューを取り出したところで隣に座ってきた人がいた。女性だ。

彼女はサングラスとマスクをして、少しゆったりめのジャージを着ていた。この暑い夏場の格好にしては相当奇妙で、一瞬僕はヤンキーに絡まれたのかと思ったくらいだ。

彼女は椅子に着くとキョロキョロと周りを遠慮がちに見渡した。メニューを探している。僕も見渡すと、カウンターには僕が持っているメニュー以外のメニューは置いてなかった。「ど、どうぞ」と言って慌てて彼女にメニューを差し出す。

 

「あっ、ありがとうございます」マスクの奥から聞こえた彼女の声は予想外に可愛らしい声で、さらに知性を感じさせる喋り方でもあった。

「あの、私、このお店はじめてなんですけど、オススメはなんですか?」

「あ、すいません、僕、東京の人間なんで、僕もはじめてなんです」

「え!そうなんですね。私も東京です!お仕事ですか?」

「そうですね、出張です。今日明日と、大阪で仕事ありまして」

 

メニューがきっかけで、会話が始まった。しかし彼女は、サングラスとマスクだけは外さなかった。

たこ焼きと美少女

彼女はゆず醤油のたこ焼き、僕はネギたっぷりのソースたこ焼きを頼んだ。「食べ比べしましょう!」と彼女は言った。

やがてたこ焼きが二人の前に運ばれてくると、彼女は目を輝かせた。「大阪のたこ焼き、はじめてなんです・・・!」と爪楊枝を取り出し、ぷっくりと丸まったたこ焼きにプスッと突き刺した。

そして彼女はマスクを下ろした。マスクの下には綺麗に整った、薄いピンク色の形の良い唇が現れた。僕は思わず、ゴクリと唾を飲み込んだ。その音が彼女に聞こえてしまったのではないかと思うほど大きな音だった。

「マスクつけてたら、食べれないですからね」と彼女は言って一口目を頬張ると「あつ!」という分かりやすいリアクションをした。

「ちょっと冷ました方がいいんじゃないですかね」

と僕が言うと「そ、そうですね」とたこ焼きに顔を近づけ、ふーふー息を吹きかけ始めた。しかし顔が近づいたせいかたこ焼きからもうもうと出る湯気が彼女のサングラスを直撃し、曇らせてしまったようだった。

「ああああ、これじゃ見えない!もういいかな」と彼女はサングラスを外す。そこには、僕がいつもテレビで見ていた顔があった。

そう、彼女は、新垣結衣だったのだ。

 

ということを妄想しながら、大阪のビジネスホテルで暇をしています。でも、僕がもし、今このホテルを出てたこ焼きを食べに行ったら、そこでロケの合間を縫ってたこ焼きを食べに来た新垣結衣と出会う可能性はありうるのです。

そう考えると、人生はどこまでも可能性に満ちているのだな、と僕は思うのであります。

 

掟上今日子の備忘録 Blu-ray BOX
バップ (2016-05-25)
売り上げランキング: 2,561