こっそり妄想徒然紀行

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人は変わるとして、それでも好きでい続けられるか?「あげくの果てのカノン」

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*本記事はそこまでのネタバレはしませんのでご安心してお読みください!

 

以前から気になっていた漫画。

この漫画、ちょっと前からネットで話題になってるのは知っていました。そして僕も気になっていました。

表紙絵がなんとなく終末観を感じさせるし、主人公の女の子がとてもピュアそうで、でも絶対悲劇的な運命が待っていそうで、さらに名前の「カノン」。パッヘルベルのカノンを一瞬でイメージしてしまい、あの曲の持つ退廃的で耽美的な世界観が一瞬で頭の中で展開されたのです。

 

そう、きっとこの漫画は、退廃的でピュアで刹那的で終末的で悲劇的で、でもそれでもキラキラと美しい物語にちがいないー。

 

ところが、読んでみたら一部合っていて一部全然違っていました。なんと言うか、ものすごいカオスな漫画だったわけです。

「SF×不倫」と題された漫画

この漫画の売り出し方は「SF×不倫」らしい。確かにそれは合っています。"ゼリー"という謎の生命体によって危機を迎えた世界で戦う境くん。そしてその境くんに、高校時代から恋しているカノン。

 

それだけの設定ならどこにでもありそうな終末的恋愛漫画なのですが、この漫画はそっからがちょっとイかれています。

 

まず境くんが序盤からどこか不穏。ナンパ者というか、ノリが軽い。チャラい。目はどこか遠くを見ているようで、謎が多くて、狂気が見え隠れする。
そしてまた、カノンがイかれている。境くんのストーカーであり、喪女であり、ヒロインとしての可愛げは皆無。こんなにイタいヒロインって、いるんですねえ・・・、と言うレベル。

 

そして境くんは結婚しています。まあだから「不倫モノ」というジャンルでも捉えられるわけですが、正直、不倫モノという見え方はあまりしません。そんなことよりもなんだか色々とカオスで衝撃的な展開が続いていくからです。

 

人は変わる。それを前提として好きでい続けられるものなのか

ネタバレしないようにしたいので詳細は避けますが、この漫画のテーマはこれなんじゃないかと思うのです。望む望まないに関わらず、人は、変わります。ひょっとしたら、悪い方に変わる。壊れていく。

 

境遇が変われば性格も変わるし、考え方も変わる。恋愛において、どちらかが変わるということは、もうどちらかは取り残されることを意味します。

 

この、「取り残された方」というのはとてつもなく孤独で惨めで悲しいものです。


立場が異なる恋愛の場合はなおさら。どちらが上とか下とかがあるわけじゃないんだけど、取り残された方は「傷つけられた」「裏切られた」と感じてしまうのが人の性。

 

いつまでも同じままでいれればいいのだけど、残念ながらそうはいかない。そして進む先が破滅だとしても、それでも好きになってしまったら止められない。

 

なんつうか、この漫画のテーマって、そう言うことだと思うのです。変わっていく相手に対して、「あげくの果てに」、どんな結末を迎えるのか。


この先が楽しみですね。まだ2巻までしか出てないので、これから読み始める人も全然ついていけますよー!