こっそり妄想徒然紀行

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【格闘代理戦争】青木真也が面白い理由

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格闘ファンなら知っていると思いますが、青木真也という格闘家がいます。

基本的には格闘ファンには嫌われ者の扱いですが、格闘代理戦争をきっかけにまたじわじわと注目を集めています。

僕、実は昔から青木選手って好きでして・・・。当時、DREAMで「大黒柱」だった頃は青木こそ日本格闘技界を背負って立つ男と真面目に思ってました。

 

自分がプロジェクトリーダーを務めていた超大事な仕事をほっぽり投げて、青木VS川尻を見に埼玉まで行ったっけ・・・。

 

ということで今回は、青木真也選手が面白い理由について書いてみます。

 

 

多分ある程度本音で話してる

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青木真也の特徴の一つとして、他者をコケにする発言が多いということがあります。

 

まあ相手選手をケナす発言をするのは格闘技界ではよくあることで、でもこれは本音でいっているというか、どちらかと言うと試合を盛り上げるためのファンサービスみたいなもので、試合が終わった後はあれだけいがみ合ってた二人が握手したり抱き合ったりしてたりするわけです。

 

しかし青木の場合は違う。多少計算してるとは言え、発言していることは多分本気で話している僕は考えています。

 

彼は元々早稲田大学出身。また本も書いているし、格闘界だけじゃなくていわゆる文化人界隈の人たちとも交流がある。

 

つまり、頭が悪くないんですね。頭が悪くない上に、空気を無視して歯に衣着せぬ発言をするものですから、本質をついてしまってる訳です。

 

誰も言わないことを、ズバッと言ってしまう。

 

だから、疎まれるし、一方で面白い。ホリエモンみたいなもんでしょうか、キャラ的には。

 

UFCに行かなかった=自分を貫くリアリストだから面白い

彼が批判されるようになったのはDREAM10のシャオリン戦あたりからじゃないかと記憶しています。この試合、寝業日本一と言われていた青木と、柔術スペシャリストのシャオリンの寝業のどっちが強いのか?とファンの間で話題になっていた試合でした。

 

しかし蓋を開けてみると青木は寝業の展開に行こうとせず、ひたすら距離をとってミドルキックをペチペチ蹴っているだけでした。

 

そう、彼はリスクをとってわざわざ危険な道に行こうとは思わなかったのです。しかしそのことで、寝業の展開を期待していたファンからブーイングを浴びるようになりました。

 

DREAM消滅後、世界のMMAがUFC一強となっていた時代、青木は遂にUFCに行きませんでした。彼ほどの実力があれば、UFC行きも十分あり得たはずなのに、彼はそうせず、当時の新興勢力だったONE FCに移籍しました。

 

これもファンから批判を浴びました。青木は逃げている、と言われました。ただこの頃から青木は、競技者としてだけではなく職業としての格闘家を意識した発言をするようになっていきました。

 

つまり彼は世界最高峰を目指しているわけではなく、生活の手段として格闘技をやっている。すなわち、あらゆることを犠牲にしてまで世界最高峰のUFCに行くのではなく、待遇も良くて日本からも移動のしやすいアジアのONE FCを活動の舞台として選んだのです。

 

「格闘家=世界最強を目指している」と勝手に思い込んでいる僕たち格闘ファンの一方的な押し付けを無視して現実的に考えて最もコスパの良い道を選ぶ青木。

 

まあ、アンチが増えるのもわかるのですが、面白いですよね、やはり。

 

試合が面白いから青木真也は面白い

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そしてこれ。青木の試合は面白いんです。

何故か?

圧倒的に強いわけではなく、強さ弱さがはっきりしてるからですね。

 

彼はグラウンドに持ち込めばかなり強い。ただ、フィジカルやプレッシャーには弱く、打撃の圧力に屈しやすい。

 

伝説となった試合、長島☆自演乙☆雄一郎とのミックスルールはもう本当にドラマチックで。キックルールを合法的な反則行為で逃げ切った青木。2RはMMAで青木の独壇場と思われ、彼自身もおそらく慢心があり、すっとタックルに行ったところを膝を合わされ2R早々にKO負け。

 

いやー、こんな負け方は予想しませんよ。強い時は本当に残酷なまでに強いのに、負ける時はころっと負ける。

 

勝手も負けてもファンもアンチも騒げる。それだけ熱量を稼ぐことができるのです。

プロの格闘家として、青木は一流だと思います。

 

 つまり、青木真也とは何なのか

人間臭いんですよね。完璧じゃなくて、弱いのに必死に強くなろうとしていて、不器用だから自分の思った通りに発言してしまい、反感を買う。

 

彼自身も根っからの悪じゃないし、内心本当はナイーブで、アンチからああだこうだ言われることに最初の頃は傷ついている節もあります。

 

でも彼は一方で頑固で、アンチがいるからといってファンに迎合しようとは思わない。すったもんだあったんだと思いますが、現在はもう我が道を行くスタイルを確立し、精神的な芯も強くなったように感じます。

 

彼はまだ現役です。ONE FCで再びチャンピオンを目指すのかどうかはわかりませんが、先日の試合を見る限りまだまだやれるでしょう。

 

ただ、単純なアスリートじゃなくって、ちゃんとプロの格闘家としてリングの外でも僕たちファンもアンチも巻き込んでギャーギャー言わせて欲しいなと、そう思ってます。

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