日本格闘技、平成最後のビッグマッチと言われた那須川天心と堀口恭司の一戦から数日が経ちましたが、いまだにtwitter中心にこの試合の余韻は冷めていないようです。
以前、速報としての感想は書きましたが、改めて試合を見直しつつ、数日経って気づいたことなんかを書きたいと思います。
そして驚愕の数字となった視聴率。2019年のRIZINはどうなることやら・・・。
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ヒールとなっていた那須川天心と株をあげた堀口恭司
この試合についてはちょっと否定的な青木真也選手がAbemaTVで「自流試合に持ち込んだ方が勝ち」みたいなことを発言していました。なるほどなあと思ったんですが、今回のこの試合に関していうと、ルールは那須川天心なのに場所としては完全に堀口恭司の空間でしたね。それがRIZINという堀口のホームリングだったからなのだとは思いますが。
そう、RISEなんかでは天心は完全に主人公な訳ですが、一躍名を上げた筈のRIZINではいつの間にかヒールになっていました。多分きっかけは昨年から何度か行われたキックの試合だったと思います。
そして今回、RIZIN最大のスターとなった堀口恭司の挑戦を受ける形で実現したこの試合でしたが、RIZINファンのアングルは完全に堀口でしたね。勿論、会場には天心応援シートもあったわけですし天心ファンだって沢山いたと思うのですが、場の空気としては堀口恭司だったわけです。
多分そのことは、那須川天心も感じていたはず。入場シーンから始まり、明らかに気負っていた天心。一方、いつものように自然体だった堀口。天心はおそらく「あれ?あれ?」と感じていたはず。ヒーローで主人公だったはずの自分が、いつの間にかアウェイ感を感じていたに違いありません。トリケラトプス拳などの挑発ポーズを出す余裕もなく、緊張の色を隠せませんでした。
判定を告げる時も、勝利を渇望し前のめりになっていた天心に対し、堀口は舌を出したり「あちゃー」というような表情をしたり、両者のスタンスの違いが色濃く出ました。天心が専門領域での無敗記録に傷がつかないよう必死だったのに対し、堀口にとっては「ゲーム」だったのかもしれません。
年齢のせいもあるかもしれませんが、結果的に人間としての器の差が出たこの試合。でも、天心はまだ20歳です。本人も試合後のマイクで言っていた通り、きっとこの試合を通じて更に成長するに違いありません。
競技性や技術論の観点からクサす人もいますが、人間成長ドラマとして見ても本当に価値のある試合だったんじゃないかと思います。
そう、堀口は世界トップクラスの男なのだ、と改めて思った件
いやあ、しかし僕の予想、MMAファイターはキックの天才の天心には勝てないだろう、と思ってました。普通のキックボクサーならともかく、神童や日本キック界の最高傑作と呼ばれる那須川天心に、勝てるはずがない、と。圧倒されるに違いない、と。
ただ、甘かったですね。反省です。勿論結果的には天心の勝ちでしたし、最終Rで堀口あわやのシーンがあったとはいえ、予想よりも堀口はやられなかった。実際、2度にわたる金的がなければどうなっていたかわかりません。
ここで認識の大きな反省ですよ。堀口も、ただのMMAファイターじゃないんですよね。一時期は世界トップに肉薄した男。彼の言葉じゃありませんが「総合は全部できなきゃダメ」ってことで、つまり堀口のストライキングも世界トップレベルだということですよね。
こうなると益々恐ろしいのはUFCですね。UFCのトップクラスというのは、本当にすごいやつらの集まりなんだなと思いました。UFCでトップを取りたければ、那須川天心とも渡り合えるくらいのスタンドがないとダメだってことですね。そりゃ日本選手、勝てないわ・・・。
おそるべしですよ、UFC。
ショック!RIZIN13の視聴率は6.6%・・・。
そんな激闘の余韻にまだ目が覚めない格闘ファンを一気に凍らせる情報が翌日届きました。なんと視聴率、6.7%。堀口天心の試合も最高9.6。
チケットが驚くべき速さで売れて言ったことが話題となり、今回のカードの注目度の高さからして、視聴率も当然ながら期待されていました。
2桁は行くとしてどこまで行くか?くらいに考えていたファンも多いのではないかと思います。
それなのに、2桁なんて全く届かない数字だった、と。これは大ショックです。
この一ヶ月、格闘ファンの話題を完全に独占し、僕ら格闘ファンの日常世界ではこの試合のことで頭がいっぱいだった。だから当然、みんなもこの試合については興味があるんだくらいに思ってました。
ところが、世間は僕らが思ってた以上に格闘技は興味ないし、那須川天心も堀口恭司も知らなかった、ということだと思うのです。台風の影響で生放送を断念し、試合順を繰り上げるという英断で格闘ファンの支持を集め、生放送中止が視聴率に多少は影響するかなとは思ってはいたものの、結果は予想以上にきつかった。
この現実を突きつけられ、ファンは一様にショックを受け、動揺したわけです。
視聴率が振るわないのはフジテレビだから、という影響があるのかどうか分かんないけど、地上波がなければギャラや影響力の面で選手が集められないしメジャー感が損なわれて結局ほかの格闘団体と変わんなくなるよね。#rizin13
— モウソウ マン (@mousoumen) 2018年10月1日
そう、視聴率不振という結果は、そのままRIZINの今後が危うくなる事を示していました。
RIZIN14、大晦日はどうなる?2019年、RIZINは無くなるのか?
さて今回、「RIZIN最終回!?」とファンが思ったくらいのカードを詰め込んできたRIZIN13。浅倉カンナとRENAの試合もこないだやってしまったし、ここ数年でRIZINが紡いできたストーリーは全てこの夏で完結してしまいました。
そしてこの後控えるRIZIN14、つまり大晦日のカードはどうなるのか。
真珠オークライヤーや矢地、そしてRENAの復活など、RIZINで一定の人気と結果を残してきた選手もいるにはいます。でも、対戦相手として盛り上がる人がいないんですよね。「これぞ大晦日!」という目玉カードが描けない。
大雅はパッとしない試合だったので、那須川天心と試合させてもそこまでノレないし、こないだ消滅した中井りんと杉山しずかみたいなカードもあるとはいえ、それが大晦日カードかと言われるとうーん、です。
那須川天心と武尊くらいのことしないとインパクトないですね。でもそれは多分、K-1が許さないし、「またキックなのか!」となるファンだっているでしょう。そうそう、榊原さん曰くキックトーナメントは「ゼロから考える」そうです。
そして堀口恭司が輝けるカードもちょっと思いつかないですよね。石原夜叉坊がUFCリリースされたので獲得して堀口と組む、みたいなことはできるかもですが、両者UFC帰りとはいえ実績が違いすぎますよ・・・。
背水の陣で勝負かけてきたRIZIN13で結果を残せなかったのはあまりにも痛い。大晦日はもちろん、2019のRIZINをどうすべきなのか、根本から考えなくてはならないはずです。そう、それは地上波抜きでどうやって行くのか、というところから。
しかし、自分の好きなジャンルの視聴率をここまでファン総出で気にするのって格闘技くらいですよね(笑)。じゃあなんで僕らは、そしていつから視聴率を気にするようになったのか。そして地上波なしのRIZINはどうすべきなのかはまた後日、妄想しつつ描いてみたいと思います!
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