こっそり妄想徒然紀行

どうでもいい事をそこそこ真剣に、ゆるーく考えるブログ

【大晦日格闘技RIZIN】桜庭VS青木見所

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誰にも頼まれてないけど、格闘技に人生を変えてもらった男として、今年の大晦日格闘技は底辺ブロガー並みに盛り上げます!興味なくても見ていってください!格闘技って、人間ドラマの宝庫なんです!

桜庭対青木をどう見るか?

というわけで、復活する日本の格闘技、イベント名称は「RIZIN」。フジテレビでもレギュラー番組が決まるなど、この8年間、何度も見ては破られてきた「夢」を、今度はいよいよ本気で信じられそうな盛り上がりを見せております。

saborimakuri.hatenadiary.jp

 

さて、気になる対戦カード第一弾は「桜庭和志 対 青木真也」。46歳となりここ数年は格闘技はしていない桜庭と、32歳の現役アジア格闘技王者青木。普通に考えれば「え、なにそれ」って対戦なんですが、こういう試合に意味を見出すのが格闘技ファン(の、悪い癖?)。勝負がどうこうじゃなくて、人間と人間の戦いが見れそうです。

 

両者の印象深い試合をご紹介しつつ、二人のぶつかり合いに涎を垂らしながら妄想しようじゃありませんか!

桜庭和志VSホイスグレイシー(2000年)

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桜庭といえばこの試合、東京ドームで行われたPRIDEグランプリ2000のホイスグレイシーとの無制限一本勝負。当時、グレイシー一族と呼ばれるブラジルの柔術の格闘技一家が格闘技界を席巻していました。いやこの一家、本当に強く、一度も負けたことがないという伝説がありました。しかしその伝説を見事破ったのがこの桜庭。400戦無敗という伝説を持つヒクソングレイシーの弟、ホイラー・グレイシーをレフェリーストップで倒したのです。しかしその倒し方にクレームをつけたのがグレイシー一族。ホイラーの腕がありえない方向に曲がって行ったのでレフェリーは安全性の為に止めたのですが、「タップ(ギブアップ)してない!」と猛抗議なのです。彼らの言い分では「生死を賭ける戦いには本来的には第三者の介入があるべきでない」ということで、桜庭の勝ちは認められない、と。ということで一族の威信を掛け、本丸でもあるホイスグレイシーと桜庭が戦うこととなったのです。

しかしグレイシー陣営の「レフェリーストップ、判定による決着なし」という非現実的なルール変更の要求。つまり、自分たち以外の誰にも戦いを評価させない、ということです。本来的にはありえないルールなわけですが、まあ「戦いとは命の奪い合い」という哲学を持っている武道家一家なので、個人的にはこういう考え方好きなんですけど(僕はやりたくないですが)。しかしここは桜庭。このルール変更を飲みます。これによる、未だ格闘技史上前代未聞の「無制限一本勝負」が実現したわけです。

試合についても色々書きたいことはあるのですが、あまりにも長くなるので割愛します(笑)。ただ、ファンタジスタ桜庭のやりたい放題。当時、僕は付き合ってた女の子と一緒にこの試合をテレビで見ていたのですが、全く格闘技に興味がない彼女が「普通に面白いわ」と言っていたほど、ワクワクに満ちた試合でした。結果は、ホイスグレイシーのタオル投入、つまり試合放棄です。90分にも渡るドラマティックな死闘は、桜庭の完全勝利に終わりました。こうして桜庭の名前は世界に轟き、格闘技界の大エースになっていくのです。

青木真也VS廣田瑞人(2009年)

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これはいろんな意味で衝撃的な試合でした。そして、青木選手らしさ全開の試合なのでこのご紹介を。

PRIDEが消滅し、日本格闘技界はその血を受け継ぐ二つの団体に分派してしまいました。一つがDREAM。そしてもう一つが戦極です。PRIDEの人気選手を二つとも抱え、それぞれチャンピオンを立て、興行を続けていましたが、交わることはありませんでした。というか、冷戦状態でした。少なくとも、ファンから見たら。

しかし、その二つが突然交わることになりました。年末大晦日の格闘技イベント。本当はそれぞれやるはずだったのですが、何故か戦極のイベントが消滅し、DREAMのイベントとの「合同興行」になったのです。まあ、チケットの売れ行きが芳しくなかったとかそういう理由だと思いますが、とにもかくにも寝耳の水の合同開催。驚いたのは、選手です。何故か突然「両団体の対抗戦」になったのです。

これに心中穏やかじゃないのが、DREAMライト級王者、青木選手でした。彼は、なんというか良くも悪くも子供な選手。そしてものすごく人間っぽく不器用。彼は、自分の所属団体であるDREAMを愛していたのです。そしてそのDREAMを一緒に盛り上げてきた盟友、川尻選手との友情と宿命のタイトルマッチを大晦日にやるはずでした。それが何故か突然、交わるつもりもなく断絶していた団体との合同興行。大人のニオイがプンプンするそのマッチメイクに、記者会見でも苛立ちを隠さない青木選手。

そんな青木選手と戦うのが戦極ライト級王者、廣田選手でした。廣田選手も十分な実力者。グラップリングの青木対打撃の廣田、みたいな構図で試合前から注目されていました。

ただ蓋を開けると青木の圧勝。一瞬のうちに廣田をアームロックで絡めとりました。しかし廣田はタップを拒否。ここで青木選手の狂気が炸裂します。タップしないなら仕方ないのかもしれませんが、彼は、廣田選手の腕を文字通り「折りました」。試合後のインタビューでも「意図的に折りました。折ってやろうと思いました」と言う通り、試合前の鬱憤が全て廣田選手にぶつけられたことになります。

廣田選手の腕が分かりやすく折れるシーンが大晦日のお茶の間に流れ、これだけでも衝撃なのにここからがまずかった。青木選手は、腕を折られて寝そべる廣田選手に向けて、人差し指を立てて挑発したのです。もう、完全にイっちゃってる表情で。

こうして青木選手は完全に世間を敵に回し、ヒールとなっていったのでした。

さて今年の大晦日、どっちが勝つ?

二人とも、色々ありながらもそれぞれの時代で日本の格闘技界をリードしてきた人物。普通に考えたら、体力的にも衰えているであろう桜庭に、若き次代のエース青木が引導を渡す、と言う展開でしょう。しかし、僕たちはファンは、「それでも桜庭なら何かを見せてくれるかもしれない」と桜庭に感情移入してみることでしょう。そして青木には「そんなファンの期待を完全に裏切り、あくまで冷静に一瞬で桜庭を倒すんじゃないか」と言う期待も持っています。

この試合に、勝ち負けはあまり意味はありません。二人がたどってきた道がぶつかり、新しい時代の幕開けを告げる戦いであれば、もうそれでいいのです。

 

楽しみ!

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