こっそり妄想徒然紀行

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ONE FCは那須川天心を獲得するのか?日本格闘技市場の攻略は?

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ONE FCは日本格闘ファンにとって縁遠い存在だった

4月に、突如日本の格闘技シーンの中でその名を聞かれるようになったONE FC。いや、存在そのものは前から知ってましたよ。青木真也選手とかレギュラー参戦してましたからね。

 

でも、日本の格闘技ファンからするとどこか縁遠い存在だったのではないでしょうか?同じアジア圏とはいえ、日本ファンからするとUFCやベラトールの方がはるかに話題になることが多かった気がします。それは大会規模とかレベルの違いとかそういうんじゃなく、日本ファンにとって馴染みの選手がただ単にUFCやベラトールによく出てたからだと思うんですね。

ONE FCも青木真也だけじゃなくてビビアーノフェルナンデスとか朴光哲とか今成正和とか出てるんですけど、UFCやベラトールみたいに日本格闘ファンにとってのメジャー感はそんなにない。

 

というわけで、多くの日本格闘ファンにとってONE FCはその他大勢の格闘プロモーションに過ぎなかったわけです。こないだまでは。

 

ONE FCの日本進出。那須川天心獲得?Abema TVと提携!

ところが、最近突然日本格闘マーケットにONE FCの名前が頻出するようになります。

きっかけは以下の二つ。

  1. Abema TVと提携。格闘代理戦争シーズン2の優勝者にONE FC契約が約束される
  2. 那須川天心がONE FCとつながりの深いEVOLVEジムに出稽古。

まずAbemaですが、この事と関連してるかどうかは明らかになっていませんが、Abemaはベラトールの放送を突如打ち切ってしまいました。ヒョードルVSフランクミアという日本格闘ファンにとって楽しみなカードを目の前にして!!!!これは、ONE FCとの提携によって引き起こされた事象だと、格闘ファンの間ではもっぱらの噂です。

 

格闘代理戦争の優勝者にはONE FCとの契約が約束されます。更にONE FCによると、毎回の大会に必ず日本人選手を最低二人は出す、と明言しています。

 

日本進出を目論むONE FCな訳ですが、日本にとって馴染みの薄い選手ばかり出ている大会の人気が出るはずありません。そこで日本人選手をコンスタントに獲得し、Abemaで放送して日本ファンの注目を集めて育てていこう、という戦略な訳です。

 

そしてその流れで飛び込んできたのが那須川天心のEVOLVEジムの出稽古。EVOLVEジムとはシンガポールにある、アジア圏最大と言われている所謂メガジムです。

 

AbemaやRIZIN COFFESIONを見る限り、MMAというよりかはムエタイの練習に行ったっぽいですが、ONE FCと那須川天心の距離が縮まったのは間違いないわけです。そしてONE FCはMMAだけでなく、キック興行も始めています。天心はとりあえず当面はキックに専念すると本人も宣言しており、ONE FCに出るとしてもどっちかと言うとキックで出るんじゃないかと思われます。

 

でもそうなるとRIZINが大会としての路線を変更してまで天心持ち上げてきたことが無駄になるし、天心依存体質ではないもののKNOCKOUTの立場もどーなる、と言う感じ。

そして総じて、日本が育ててきた那須川天心という至宝が、日本の巨大プロモーションを蹴って海外のプロモーションに行ってしまう、ということの精神的ショックがでかい気がします。

まあ、天心がONE FCと独占契約をするかどうかはわからないにせよ、「流出」という言葉がぴったりなんじゃないかと。

 

ONE FCからすると、これから日本市場に打って出ようとしてるタイミングで天心という武器が手に入るのは相当でかい。正直、青木真也だけじゃ日本市場には打って出れないでしょう。格闘代理戦争を盛り上げてその優勝者、青木真也や何人かのそこそこ著名なファイター、そして那須川天心というピースを揃えて日本で興行を打てば、そこそこ集客はできるのではないか、という目論見なのでしょうね。

 

ONE FCは日本で成功する?日本格闘ビジネスはコミュニティビジネス

さてそれでは全てがONE FCの目論見どうりに言ったとして、それで日本で成功するのか、という点を考えてみたいと思います。

 

日本格闘マーケットは独特だ、とよく言われますね。世界最大のMMAプロモーションであるUFCですら、日本マーケットは今の所切り崩せていません。

 

何故か?僕は、日本の格闘技はコミュニティビジネスだと考えています。DREAMの頃なんかはよく「ジャパニーズMMA」なんて言い方をしていました。世界最高峰の技術を楽しむのではなく、そこに至るまでの過程とか人間ドラマとかを共有し、ファンも巻き込みながら選手や試合は勿論、大会そのものまでああだこうだ言いながら楽しんで行く。いわば、コミュニティなんです。狭いかもしれないけど、コミュニティ。

 

日本の格闘ファンは、どこか自分ゴトとして格闘技を捉えているような気がしているのです。熱心なオールドファンであればあるほど。

 

それはきっと、かつてPRIDEやK-1といった自分たちの居場所が突然失われてしまったことの心理的トラウマが大きいのかもしれません。日本の格闘ファンは、自分の場所を求めて彷徨う遊牧民なのです。

 

いかにUFCが世界最高峰の看板をひっさげてきても、日本からすると完成度高すぎるし、技術がすげえというのはわかっても感情移入がしにくい。勿論毎回のようにUFCを見ている人からしたらそれぞれの選手にドラマがあって感情移入できちゃうのかもしれませんが、そこに行き着くまでのハードルが高すぎるのです。視聴環境も無料じゃないし、格闘ファンじゃなくてUFCファンにならないとなかなかしんどいものがあります。

 

なんだかんだ言って、UFCの最高峰テクニックよりもRIZINのズンドコ劇場の方が話題になるしRIZINのあれこれについてああだこうだ言ってる方が日本格闘ファンは好きなのではないかと。批判してる人も結局は見てますしね。

 

さて、そこまで考えるとONE FCはどうか。個人的には、そこまで成功しないだろうと思っています。ONE FCがアジア全体をマーケットとして捉えているのであれば、日本はピースの一つに過ぎず、それでは日本の格闘ファンは盛り上げれないのです。

 

自分たちの場所じゃなく、他の人の場所に遊びに行くような感覚ですからね。

 

かと言って、日本に比重を置いた展開をONEがするかというとそれも考えにくい。ONE FCはグローバルMMAプロモーションなのです。RIZINのようなグローカル団体ではない。

 

そこを無理して進出しようとしても、違うんじゃないかなあと思ってしまいます。

 

ただ、UFCがかつて高ギャラで元PRIDE有力ファイターをどんどん手中に納めたように、ONE FCが日本の有名ファイターを高待遇でどんどん引き抜いて言ったとしたら、相対的に日本のMMAマーケットを弱体化させることにはなると思います。

かつてのDREAMのようにRIZINもギャラの獲得競争に勝てずジリ貧に・・・となることも予想できます。

 

RIZINが当初のコンセプトどうりフェデレーションというスタンスを維持してONE FCとも協力体制を敷いていくならいいんですけどね。ただそのためにはRIZINにもっとブランド力がないとダメなわけで、天心がたとえキックルールとはいえONE FCに参戦するようになるとRIZINのブランド価値はガタ落ちです。

 

というわけで那須川天心選手。あなたがONE FCに参戦することのインパクトは相当でかいのです。そこんとこ、よくよく考えていただけると嬉しいです!!!